多和田葉子の「犬婿入り」や三浦しをんのまほろシリーズ等について、
その物語の舞台となった街について、作者が実際に歩いて考察した著作。
特に「犬婿入り」の舞台となった国立市周辺については、
写真や地図を示しながら、詳しく紐解いていて、大変興味深かった。
まほろ市こと町田市は、市街の解説よりもシリーズについて、人物の詳細な解説をしている。
また、東京の郊外を流れる野川については、
二人の作家の小説について解説。
どれも馴染みのある土地についての著述なので、
なるほどと納得しながら楽しめた。
コンクリートで固められて見えなくなっていても、
多摩川など様々な川が作ってきた地盤の上に、大都市東京は成り立っているわけで、
ちょっと郊外に出ると、長い年月を経て作り上げられた"まち"の
歴史や個性を明らかにするようなしるしが、川の周辺にはある。
著者はそういう場所を歩くことで、それぞれの街の成り立ちを考察、
私の知っている街の声を聞かせてくれているようで、楽しかった。
それにしても、
決して大きくはないし、立川や国分寺に比べて歴史も浅い国立が、
こんなにもハッキリした境界をもって成り立っていったとは。
改めてその魅力を好ましく感じた。
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