mixiユーザー(id:7990741)

2019年01月27日14:32

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「ある男」平野啓一郎著

とても面白かった、期待以上。前作「マチネの終わりに」よりずっと好み。

不幸を背負ったシングルマザーが、ようやく掴んだ幸せな結婚。
その夫は、実は全く異なる人物の成り代わりだった。
真相を探るよう依頼された中年弁護士の奮闘物語。

人が他人に成りすます、しかも完全に?
そんな事が可能なのか、解き明かしていく推量劇、
子供に恵まれて傍目には完璧に近い幸せそうな弁護士一家、
その背負った重荷に苛まれる様子、
さらには恋愛未満風な出会い、
盛りだくさんだけれど、実にうまく練り上げられていて
全く違和感なく読み進められる。

そして東日本大震災や、ヘイトスピーチなど反在日ムーブメントのような
社会問題をも巧みに利用して、
揺れ動く主人公の心を織り上げていく。

随所に提示される作家の教養や好み、
そして美しいとしか言いようのない文章をも味わえて
読書の醍醐味を満喫できる長編だった。

蛇足ながら
主人公の家庭の「問題」について、私の推理が大当たりして、より一層満足の読書でした。
(って、ちょっと自慢)
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