mixiユーザー(id:1299833)

2017年09月11日11:11

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クリストファー・プリースト『スペース・マシン』(創元SF文庫)

 この作品の多くの部分は、水上ベッドにて読みしもの。大雨によりベッドの下まで浸水が押し寄せるが、水がひいてくれるまでなすすべもないので、そんなときの慰めにはひたすら本を読みふけるしか能がなかったもの。時間的にも空間的にも、じつにひとひねりが効いている。さて、地球は大いに愛するにあたいする惑星であるが、この惑星に生きとし生けるものすべてがこの惑星を愛しているわけではなく、先行きのことを考えない人たちが多く、この惑星の最大の害獣はニンゲンだともいえる。そんなわけで将来的に、地球から他の惑星へと旅立つことも考えられている。しかしより住みやすいと思われていた星がじつは好ましくなく、不本意にも地球に舞い戻らなければならない話もありうる。かと思えば、地球のほうがずっと過ごしやすいと思って他の星から訪れてくる生き物もいる(侵略という線もつよい)。そんな背景もこの作品は抱えている。しかしながら、じつはそれ以上にヒューマンなSFだということに気づかされて、胸を打たれる。地球、およびいっしょに生きているひとたちを愛しよう!
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