すごく面白かった。びっくりするほど。
タイトルの表すように、原子◯◯をめぐる若い女性の大冒険もの。
まさかの池澤エンタメに、正直初めは戸惑ってしまったほど。
軽くて速い滑り出しで、ノリがよすぎる、というか。
と思ったら毎日新聞の連載小説だったとのことで納得した。
主人公・美汐の父親が死の床で一人娘に遺言するところから始まる。
彼は半生を瀬戸内海の島で漁師として人嫌いの生活を送ってきたが、
実はその前は科学技術者だった。
物語の大半は、瀬戸内海の島々を皮切りにした、
美汐の逃走劇で、そのあまりの大胆さに読み手は呆気にとられるほど。
時として章を改めて、美汐の父親の過去が明かされて
益々ワクワク度が高まる。
はらはらドキドキものではあるが、
作者の核への考え方に筋が通っていて、
決して目先のスリルだけには終わらず、
サクサク読めても、ずしりと重さの感じられる一冊だった。
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