mixiユーザー(id:1299833)

2016年08月13日13:17

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養老孟司『無思想の発見』(ちくま新書)

 ちくま新書である。
 目次に眼を通すと堅固なことばが並んでいる。
 しかし読みはじめると、やはりどこかで読んだことがあるようなことばかり。
 タイトルからして、ニホンは「無思想」ではなくて「非思想」ではないか、なんてからみたくなってくる。
 非思想ということは、節操が欠けているが、足かせがないことで小回りがきくということも意味し、つまり適応力に富んでいる、ということになる。
 このあたりから、あり地獄的なニホン論、ニホン文化論にはまりこんでいく怖れがあるが、なんとか持ちこたえてみたい。

 おさらい。
 養老孟司の語ることには、ときとして冴えがみられる。
 それは往年の山口昌男を読んでいるときにも感じたことであり、山口が非ヨーロッパ世界を希求していたのとおなじく、養老はからだのなかへと突きすすんでいく。
 からだのなかから、ニホンを世界をいかに語ることができるか。
 しかしながら、蓋をあけてみると、養老孟司はからだオタクではなく昆虫愛好生涯であることを知り、あたりまえの旅行者とは異なった視点でニホンを、世界を眺めていることに気がつく。

 つまり養老孟司はジェネラリストであり、かつてはよく話しに上った「たこつぼ」とはずいぶん異なっている。
 この爺さんの智慧がさらにどう発展していくのか、見つめずにはいられない。(心中するつもり?)
 
 
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