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2016年01月04日18:13

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「あこがれ」 川上未映子著

新年早々すばらしい一冊にめぐりあえて、本当に心からうれしい。
どストライクな小説だった。

主人公は小学生の男女で、男子には母親しかいなくて、女子には父のみ。
それぞれ幼い時に、もう片方の親を亡くし、シングルペアレントの子供として、同じ学校に通っている。

が、この二人の子ども、ただ者ではない。
というか、放任主義の下で育っているおかげで、ものすごくしっかりしている。
大人びているのではなくて、なんというか、自分があるというか独立心があるというか、
人間としての尊厳が、すでに10や12歳の若さで確立されている、とでも言おうか。
親族の死が、若い人を成長させるということなのだろうか。

この、子どもらしさフル充電にもかかわらず、ナイーブな
若者ーー20歳を超えたか超えないかくらいのーーのような心の動きをする
主人公たちに、あっという間に首ったけにはまってしまった。

著者の、時折広げて見せる心理描写が、巧みで秀逸だ。
効果的にひらがなを用い、子どもの言葉で、若者の心理を展開して語り聞かせて
それこそ「あこがれ」の感情に悩む過程は、初々しくていとしくて、
ここでは子どもたち、という設定なのだけれども、たとえば
どの大学にも、こんな学生が居るのではないだろうか?
傷つきやすくて、心優しくて、敏感で、友情に厚い若人が。

あまりにもよくできたストーリーなので、あえて筋は語りませんが、
今年一冊目にして、2016年私のベスト5入り、間違いなしの一冊でした。

ただし、電車で読んではいけません。
大笑いする箇所もありますし。
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