地方の町に住む、祖父母世代と高校生の男女らのヒューマンドラマ、
はらはらやワクワクは、あまり感じられなかったが、
読み甲斐のある長編で、面白かった。
安珠は幼馴染の奏斗を守るように成長したが、
高校に進学し、ひょんなことから謎の孤独な老人・平と知り合う。
常に絵を描いている彼と関わるようになって、
安珠はシングルマザーとして父親を育ててくれた祖母・悦子と
平との関係に興味を持つ。
一方、繊細な奏斗は自己の有り様に深く悩んでいるのだった…
とても強烈な個性の面々の現在と過去が、巧みに語られ
読み手を強く引き付けると同時に、
好ましい登場人物達の苦しみや辛さが段々と明らかになる。
昭和の男キャラクターと、「狂犬」というあだ名をもらう程元気な女子高生、
普通なら折り合わないような人々が、互いに惹かれ
やがてわかり合うようになって行く様が心地よい。
この作家の次作にも期待したい。
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