児童及びヤング・アダルト向けの長編だけど、大人でも十分楽しめた。面白かった。
団地に母親と兄と三人で暮らす中3の悠人は、
塾の無い日の夜にランニングをする受験生。
ある晩公園で一人ぼっちの少女を発見し声をかける。
疲れている印象の朱音は、高級マンションに住んではいるが、
父親は単身赴任、母親は病気で臥せっている上、
小2の妹を世話するヤングケアラーだった。
作者は悩みあるティーンの少年の日常を描きながら、
要所要所で、まだ日本では馴染みの薄いヤングケアラーの問題を
小学生でもわかるように、人権を絡めながら解説している。
わかりやすく抵抗なく理解できる上に、ストーリーも楽しめるから、
小学高学年や中高生とその親、教師の必読書としてお勧めの一冊。
読後は、おもしろかった〜、と言うと共に、
作者には、解説ありがとうございます、と言いたい。
大人向けなら、病んだ(恐らく心の病も)母親の描写が加わるのだろうが、
そこをさらっと省略しているところが、好ましかった。
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