読みやすくて面白い長編。
エンタメ政治もの、ともお仕事小説とも言えるかも。
第111代総理大臣となった、日本初の女性・相馬凛子。
彼女の奮闘ぶりを、その夫・日和が過去の日記をつける
という形式で語る。
凛子は開田川賞作家と国際政治学者の一人娘。
日和は相馬コンツェルンの、大株主を母親に持つ次男坊。
この東大卒の美男美女夫婦が、いかにして首相に任命され、
謀略にさらされ、果ては・・・
というマンガチックな設定をもってして、奥行きのある展開をしてゆく。
総理とそのとりまきの様子、超セレブ家族の強い母親と息子への縁談攻勢、
格式ばった家の嫁姑関係、
さらには日和の鳥類研究者としての人間観察力の笑える程の鋭さ、
などなど巧みな仕掛けが心地よい。
主人公夫婦も、極端に「持っている」富裕層なのも漫画的だが、
政界で大活躍している老練な政治家が
原久郎つまりハラグロ、という名前なのも笑える。
でも妻のピンチにあたり、
「助言をしないのが最大の助言」と言うような
深い発言など、
グッと来るところが要所要所にあった。
文庫版の解説は、安倍昭恵夫人。
今この時にこの解説を読むと、なるほど〜と感じるところも、興味深かった。
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