mixiユーザー(id:7990741)

2017年03月30日11:14

474 view

「ぼくの死体をよろしくたのむ」川上弘美著

とても面白い短編集。
連作ではないが、ちょっぴりしかけがある。

芥川賞作家続きの読書となったが、やはりこちらは純粋に「数々の文学賞を受賞したベテラン」(「」は敢えて私が付けてみました)。
キャラのこなれ方に練熟の感がある。

18作のうち、特にどれがというわけではないけれど、
最後の短編が、この著者らしくて
やさしくて切なくて、ぐっと来る感じ。
きっと読者はそれぞれ感じ入るツボが異なるのだろうが、
共通して感じられるのは、作者の視線のやさしさ、かつユーモア混じりの冷徹さ、とでも言おうか。

ちょっぴりファンタジーな、異世界の要素がある作品もあるーーたとえば「スミレ」。
これは精神年齢と実年齢に開きがある人々が、一つの宿舎に暮らすという設定。
まずはこの設定が、もう、川上ワールドへようこそ! とわくわくする。

大体が恋愛ものだけれど、家族のつながりがあったり、友情ものがあったり、
切ないながらもクスッと笑えて、とても読後感の良い短編集で、
川上さん、ありがとう、という気持ちになった。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年03月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031