つや というのは艶という女性のことで、伊豆大島らしいO島で、死の床にある。
その夫が、彼女の昔の男たちの家に連絡しまくって、7つの物語が、7人の視点で語られる。
おもしろい連作集。
艶自身がほとんど登場しないところに、私は「レベッカ」(ヒッチコック監督)を連想した。
(ちなみに、私のもっとも好きな映画の一つ)。
ということで、この小説は、艶の人柄により、かなりドロドロの道ならぬ恋の話なのだけれど、
ダイレクトにヒロインを描かないところが、とても良かった。
編集者とその妻、小さな建築業者のOL,、総菜屋で働く中高年の未亡人、など
どこにでもいそう、とは言わないまでも、派手さはなく、あまり魅力的ではなさそうな人たちの
大胆な行動には、とても惹かれた。
読みやすくて、いいな、と思ったら、文庫版の解説は、行定勲監督で、
この小説をきっぱり「傑作」と言っている。
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