mixiユーザー(id:7990741)

2026年01月10日16:57

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「へび」坂崎かおる著(文學界 2025年10月号)

今回の芥川賞候補作の一つ。
一人称で著すところを“あなた“とし、蛇のぬいぐるみの目を通して語られる。

描かれているのは父と一人息子·夏秋の生活ぶり。
その夏秋がASD傾向もあるADHDで、健常児とは少し異なっている。
彼が少年野球チームに入ったところから、物語が進むのだが、
突然夏秋の母親·那津が、塩化ビニル製の人形になってしまい、
息子の世話は主人公がワンオペで行うことになる。
それも訳がわからないのだが、
更に、彼は常にぬいぐるみの蛇と共に行動している。
本来、夏秋のために買った蛇のぬいぐるみなのに。

この話は、ある意味、シングルファザーの奮闘記なのだけれど、
特殊な液体で布がちぎれても修復できるぬいぐるみや
最初はいたのに、なぜかビニル人形になってしまった妻とか、
不穏な要素がそこここにあって、読み手を緊張させる。

にも関わらず、夏秋の元チームメイトとの友情の成り行きは普通に描かれて
私としては何だか期待はずれな結末に、少しがっかりした。


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