もはや旧紙幣となった福沢諭吉が、
咸臨丸に乗り込む辺りからの生涯を描いた小説。
上巻よりも下巻が、ずっと面白かった。
咸臨丸の「真実」として、勝海舟と木村摂津守の行動や、
大隈重信らとの関係など、驚きもあれば
小泉信吉(信三の父)との関わりに惹き付けられたりもして、
どこまでが真実か、はさておき、破天荒に近い生きざまが痛快だ。
特に、北里柴三郎が帝大閥から排除されるように追い込まれたところを
福沢がどう救ったかをおもしろく描いてあり、
新紙幣への交代と重なって、
このタイミングで読めたことに、感ずるところがあった。
著者は、三田キャンパスの図書館に入り浸ることで
大学生活を始めたような、慶応OBで、
創設者に対する愛のあふれる長編。
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