地方都市の政治ものでありながらも、SF系ファンタジーな長編。
シビアな人は、地方自治体におけるドタバタな人間模様と片付けるかも。
とてもユニークで読みやすかった。
独特な奏法のエレキベーシスト⋅翼。
京都府の眉原市でバンド演奏に招かれた後、
訳あって女子バンドを離脱、孤立しているところに
声をかけてきたのは、市議会議員秘書を辞めたばかりの
羊川葉月だった。
羊川の誘いで市長選に急遽立候補、当選した翼は、
市議会のニ大党派のトップとそれぞれ面談する。
そして議会が開かれた会場に、突如現れたのは、
頭と下半身は牡牛、胴体のみヒトの、
ミノタウロス。
このところ世界各地に、いきなり出現している。
翼に襲いかかりそうな獰猛な怪物を射殺したのは、有力政党党首だった。
ところが、もう一つの政党の党首が行方不明となり……
政治家とは全く無縁だった主人公が、有能な秘書にかつぎあげられ、
政治家になって行く様子が、時にユーモラスに、
かつリアルっぽく描かれて面白い。
空間にいきなり、湧くかのように現れるミノタウロスは
とてもヘンなのだけと、翼や羊川らの活躍には惹かれるものがある。
マッドサイエンティストまで出てきて、
警察や自衛隊、と怪獣と闘う物語的な展開に。
しかし、素人市長を中心としているので、
SFものとは一線を画している。
リアルな政治家模様に、キテレツな怪物が絡む
摩訶不思議なお話。
ところで、翼のベースの鳴らし方がポイントなのだが、
ごりごり…としか描かれていなくて、
ミノタウロスよりも想像しにくかったのが、難点。
(家族が以前エレキベースを弾いていたので、音は知っているし、
櫻井哲夫や高橋ゲタ夫なら、ライブで何度も聴いてきたので)
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