袋小路に面した10軒の戸建てに住む家族の人間ドラマで、とても面白かった。
10家族、20人以上の老夫婦から小学生までが活躍するので、
推理小説を読み進める感覚に少し似ている。
お約束の「登場人物リスト」の代わりに、
巻頭には袋小路の略図があり、何度もそこを参考にしながら読み進むと、
日頃はあまり深く付き合いのない袋小路の家族達の関係が浮かび上がる。
ある日ニュースで、女横領犯が刑務所から逃亡したと報じられ、
不用心だからと、袋小路では交代で見張りを始めることとなる。
すると、グループを組み、お互い少しずつ深くかかわるようになって、
親しさが増して行くのだが、その様子がとても好ましい。
殆どの家族又は個人が、大きな問題を抱えていて、
それが明らかになって行く様が、面白い。
やがて、脱走犯は悪人ではあるものの、
その上を行く悪い輩が居るのだと、感じさせられ、そこも興味深い。
巧みに組まれたストーリーに引き込まれて、スッキリ読了した。
情景描写を極力控えたスピード感も
この長編をより読みやすくしていると思われる。
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