明治大正昭和を、皇族•梨本宮家に嫁いで、妃殿下として生きた、伊都子の半生。
鍋島家の姫として生まれ育った彼女を知ることで、
高貴な女性とはこうあるべきだ、という見本のような振る舞いを堪能できるノンフィクションっぽい小説で、
とても面白かった。
タイトルでは李王朝と朝鮮族の高貴な家柄を押し立ててあるが、
縁談の裏で活躍したのは、聡明で才覚にあふれ、世話好きでやり手な
梨本宮伊都子妃だった。
全てが彼女の視点で描かれているが、
それは実在した本人の日記を元にしているからで、
当時の皇族や華族らの様子が詳しく伺えて、非常に面白い。
激動の大正昭和をプライドを持って、そしてある意味、世間には無知で生き延びていった
自我の強い女性の生き方を、興味深く読み切った。
貴人の妻として、受け身でありながらも、
ここぞという場面では思い切って打って出る、
そんな伊都子が好ましい人とは、言えない面も多々ある。
でも小説のヒロインとしては実に魅力的だった。
旧宮家の跡地を巡って見て回るのも一興だな、と思いつくほど入り込めた。
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