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2017年03月19日00:28

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「東京會舘とわたし」上・下巻 辻村深月著

一昨年建て替えになった、皇居のお堀端にあるレストランと宴会場。
東京會舘は結婚式場としても有名だけれど、
何と言っても、芥川賞と直木賞の受賞記者会見の場として
毎年ニュースに写る煉瓦の壁が印象的だと思っていたら、
あれは煉瓦風のタイルだという。

実在の建物を舞台にした連作短編集なのだが、
大正12年から平成27年まで、実際に起こったできことや
マッカーサーや越路吹雪ら有名人が、実名をあげて描かれ、
このフィクションを、現代史の歴史物のようにリアルに彩っている。

10章の構成中、直木賞を受賞した若手作家の話が特に味わい深く力が入っている気がしたが、
そこには角田光代の受賞に際してのコメントまで披露されていて、
まるでノンフィクションのようだ。

が、東京會舘とそのスタッフに敬意を払うあまりに、
ちょっと事実色に偏りすぎていて、
この作家にしてはドキドキ感や面白味に欠け、少し物足りなくも感じた。

ある意味、一流宴会場とレストランで働く人々の、
お仕事小説とも言える。
ここで結婚式をあげた人には必読書。
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