ベストセラーとなった本が手軽な文庫となったから借りてみた。
実際にはお手軽な小説とは言い難い、読み応えがあるが、読みやすく面白かった、
とはいっても、決して楽しい物語、というわけではないが。
後半、佳境に入って、ふと気づいたのは、私が分類するなら、映画「レベッカ」類型、だということ、
つまり、ゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」と真逆な、名前の呼ばれない子供が・・・・
ホラーの様相はゼロだけれど、恐〜い物語、ともいえるかも。
主人公は、母親である「私」で、主ストーリーは「母の手記」だけれど、他に二人の女主人公がいる、
彼女の母とそして娘。
その娘も、「娘の回想」として、自ら物語る。
ということで、推理小説も(或いは、を)書く巧い小説家としては、読み手に頭を使わせて
複雑な話をさらに入り組ませて、そこが余計に惹きつけられるようになっている。
冒頭、自殺未遂を図ったらしい女子高生の話。
そして主人公である「私」の物語が始まる。
一人娘として母親の絶大な愛の下に育ち、大人になり、母も認めた男と結婚し、
自らも一人、娘を産んだのだが、家が不幸に見舞われて・・・・
実の母娘関係の他に、壮絶な嫁姑の確執、さらには小姑たちの登場もあり、
橋田壽賀子チックな展開も見せつつ、そこは湊ワールドだから、ちまちまといびり合戦のようにはならない。
見事だ。
主観による物語は、過去と現在が入り組み、複雑なものの、
決して読み手を置き去りにしないで、うまーく導いてくれて、推理心をくすぐり続ける、
疑うことを止められない、そこがとてもおもしろい、すぐれた小説だと思った。
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