芥川賞作家の新作、まるで硬派ドキュメンタリーのような物語で、重苦しかった。
ひと言で表せば、救急外科医残酷譚。
激務に追われる独身医師達のリアルなお仕事物語。
私こと公河は、町のたった一つの救急病院の救急外科医。
物語は医大の友人の産科女医が三十過ぎで急死したところから始まる。
その亡くなり方が、病死ではあるものの異常で、
公河は自分のことのように想像してしまう。
自分達は膨大な超過勤務に苦しめられているから。
市内の他の2軒の病院が救急から撤退してしまい
次々と押し寄せる救急車の対応に、私的な時間どころか
寝る暇さえ削りに削られ、公河は疲弊してゆく。
彼の周囲の医師も同様で、中にはいかにも精神まで病んでしまった医師も。
医療現場の実態があまりにもリアルに詳細に描かれているので
救急病棟を覗き見しているような感覚で読み進んだ。
読み手までも苦しくなるような展開で、
ディープな社会科見学のような好奇心でのみ、読み切った。
スッキリとかワクワクとか、全くなかった。
敢えて言えば、可哀想というのも一つの感想。
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