作家自身の母方の里である、奥多摩の御嶽神社にまつわる短編集。
最初の2、3は私にはやや物足りなかったが、
後になるにつれ面白くなり、神秘的な読書を堪能した。
狐憑きや山伏等、妖怪とは違う、山からの不思議と
リアルに向き合い、時には闘う神主一族。
小学生(作者自身)が出戻りの伯母から、寝る前に語られる形で、
作り話とは言い切れない、子どもたちは信じている怖い話の数々。
中には哀れな登場人物もいて、
舞台は一つ、主人公はほぼ不動なのに、
それぞれ異なる展開が飽きさせない。
ところどころ山林の描写などが素晴らしくて、
さすがだなあ、と思いつつ、
最後、長いあとがきに、作家の生い立ちや神主の血筋の実母のことが述べられ、
そこもとても興味深い。
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