近未来の日本で、生きづらさを抱えて生きる人たちを描いた長編。
ワクワクとかドキドキした、とは言えないが、ずしんと伝えられることがあり、
読んでよかったと思う。
雄大は一人暮らししているアパートの住人である親子・輝と龍と出会う。
未就学児の龍は、どうやら健常児ではない様子。
そして、実は雄大にも・・・
初老の人を成熟者と呼ぶ時代、地球に見切りをつけた人々は、
火星に移住ができるようになっている。
また、自分とリンクできる小型ロボットも一般的に見られ、
現代のような情景もありつつ、端々にSF的なものが登場する。
だから、ファンタジーっぽくはあるものの、テーマはとても重くてリアルだ。
マイノリティ、人を見下す人、普通とは異なる親子関係とか。
ネタばれになるかもしれないが、
火星のような遠くへ渡っても、結局は
「自分の中が、一番遠い」
と登場人物の一人は思う。
その点は「青い鳥」みたいに、探し回っても最後は身近にあるというような印象になるかもしれない。
って、真逆か・・
そういえば、川の上を飛ぶ青くて美しいカワセミが、一つのキーアイテムになってもいる。
火星の描写とか、全く挨拶のできない子供の療育とか
かなり詳しく描かれていて、勉強にもなる。
不器用な親子たちの奮闘記、ともいえよう。
身近に生きづらさを抱えている人がいて、
何とか助けたいともがいているような人に勧めたら、感謝されるかも。
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