この作家の芥川賞受賞作を想起するような短編集。面白かった。
8つの短編は穏やかな語り口ばかりだが、
根底には、尊敬する人が亡くなった後の思慕の情が
色濃く描かれていると感じられた。
というのも、タイトルページの裏には、二人の個人名と
「その他の死者たちに」
と記されている。
最後の作品にはオーストラリアの先住民アボリジニについて語られるが、
久しぶりに「ビラボン」という単語に遭遇した。
これを英語以外、カタカナで読むのは初めてかも。
(脚注に説明があるけれど、まあ、ざっくり、ユーカリに囲まれた池のようなもの、と私は考えている。私のもらった絵本には、そう描かれていた)
池澤夏樹はオーストラリアにも詳しいのか、と驚いた。
この著者の、男性同士の友情というか関係性には、
とても深くて、他に変えがたいような魅力があると改めて思った。
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