アルジェリアの隣国マリのトンプクトゥという町は
ユネスコの世界遺産に登録されている、中世からイスラム文化が花開いた町で
数多くの幅広い内容の、美しい古文書が収集されてきた。
このノンフィクションの主人公ハイダラは、
学問所を開設した父親を持つような名家に生まれたこともあり、
イスラム過激派による古文書焼き払いから、それこそ命をかけて貴重書を守った。
その軌跡を、マリの紛争を解説しながら、
更には砂漠の音楽祭という、西欧諸国からも大勢の観光客が訪れるようなイベントが開催されたことなども紹介している。
本書のタイトルからは想像が及ばないような、広い範囲の、いわばサハラ砂漠北部の現代史解説書でもある。
トンプクトゥには数々の美しい古文書が中世の頃から集まってきていた。
ハイダラは、ヨーロッパを始め、様々な国の財団等から
寄付金を集めまくり、湿気や白蟻やカビや、
そしてイスラム過激派の暴挙から、身を呈して
貴重な古文書を守り続けている。
全く予想もしなかった現代北アフリカ紛争事情や、
国際テロリストについても学ぶことができ、大変勉強になった。
強いていえば、主人公を始め、本書に登場する図書に関わる人々が、
厳密な意味の図書館員とは違うという点が、少し残念だった。
ログインしてコメントを確認・投稿する