「リヴァイアサン」の著者が、現代アメリカ文学の旗手だと評されるようになった小説。
「探偵」の行動が主に描かれてはいるものの、推理小説とは言いがたい、
なんとも独特な、興味深い物語だった。
主人公は作家であり、詩も書いていた男クイン。
若くして妻と一人息子を亡くし、ニューヨークのアパートで孤独に暮らしている。
「そもそもの始まりは間違い電話だった。」
という冒頭から、一見ハードボイルド調に、奇妙な若者とその美人妻のようなキャラが次々登場。
しかしニューヨークの街中を歩き回るうちに、決して一筋縄ではいかない展開になってゆく。
主人公は騙されたのか?
そうだとすると誰と誰がグルなのか?
真実は明かされるのか?
そもそも冒頭の電話をかけてきた人物が求めた相手の名前が、この著者と同じ。
読み手は、困惑しながらもストーリーを追ってクインと共に
マンハッタンを歩き、尾行し、そして・・・
主人公が出合う人々を通して、著者は古典の知識を随所で披露する。
少しマニアックだけれど、例えば「ドン・キホーテ」の解釈などが面白い。
恐らく殆どの読者の予想外に展開していく、ある意味おかしな話なのだが、
ニューヨークなら、こういうのもアリだな、
と感心させられる
よくできた小説。面白かった。
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