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2026年06月16日20:35

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「明日、あたらしい歌をうたう」角田光代著

著者がインタビューで「小説を書くことの楽しさを久しぶりに見いだせた」と語った中編。
素晴らしくて面白い、忌野清志郎への讃歌でもある。

中学生の新(あらた)少年とその母くすかは、彼が生まれた時から二人暮らし。
部屋に飾ってある清志郎の写真に、これがあなたのお父さん、と。

RCサクセションを知らない新は、忌野清志郎のことを知って
自分は隠し子か、と疑いを持つようになる。

ピアノ教室とお絵描き教室でそれぞれ知り合った
同い年の匠人と陽菜とは、別な学校ながらも
3人でバンドを組み練習を゙始める。
演奏するのは清志郎の曲だ。

一方、くすかの悲惨とも言える過去が、別な章で語られる。
愛のない家庭で、見えない者のように育って来たくすかは、
家を出て入学した大学で、新の父親となるトキオと知り合い、結婚したのだが……

要所要所に忌野清志郎の歌がちりばめられ、重要な展開をする。
彼の歌を知らない読者には、少し歯がゆい面もある。
しかし最後の方の、くすかの長台詞は、清志郎を知っていようがいまいが、
感動的で心打たれる。

忌野清志郎ファン必読の書、落涙間違いなし。
とはいうものの、RCサクセションを知らない人でも、
この母子のことは絶対応援したくなるだろう。

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