室蘭から始まり釧路で終わる、ある破天荒な男の人生の物語。
決して好ましい主人公ではないし。私好みの登場人物はほぼ皆無、
にも関わらず、この作家の、ドロドロな人物描写に対しての
北海道の自然描写の美しさと巧みさに、やはり読了して満足だった。
貧乏のどん底で、次々と生まれる弟妹に囲まれて育った猛夫。
母と仲の悪い伯母には気に入られ、養子のように育てられる。
理容師になるべく修業し、技が備わったところで理由あって室蘭を去ることになる。
血の繋がる家族が移り住んだ釧路で、猛夫は同じ理容師の里美と夫婦で店を開く。
そのままならば順調だっただろうに……
とにかく猛夫の性格が問題で、読み手としては不快にさせられながらも
周囲の女性たちの行動に救われるように読み進んだ。
釧路は行ったことがあるので、街の様子や土地の高低による格差みたいなもの、
更に周囲の湿地の様子も何となくわかるから、一層楽しめた。
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