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2025年08月20日11:42

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「楽園の瑕」相場英雄著

「覇王の轍」に続く、正義感の強い独身警察官僚·樫山順子の大活躍する警察もの。
今は山梨県警本部の刑事部長となり、甲府市で地元を愛でる暮らしをしている。

一方、バブル崩壊後に、金融界で陰の“掃除屋“として大金を得た古賀良樹は、
隠遁先として選んだ山梨県の東京寄りの風光明媚な村で、悠々自適な暮らしをしている。

そんな古賀の元に、隣の市に大規模開発の計画が持ち上がったことが知らされ、説明会に赴くと、
そこに樫山も出席し、政財界のフィクサーと言葉を交わす古賀を見かけて彼女の勘が働き始める…

荒れた休耕地をめぐる、ひょっとしたら国家レベルかという陰謀を
元経済犯罪の仕掛け人と県警の部長が暴こうとする。
そんな樫山の部下の捜査二課長·浅野は、やはりキャリア組で、出世欲が強い女性。
もう一人の部下、捜査二課主任警部勝田と共に、隙のないように贈収賄犯罪を明らかにして行く。
その様がテンポよくて心地よい。

作者は、古賀とその取り巻きもきっちり描いていて、
樫山を含む県警ばかりでなく、読み手に別な見方を披露してきて、ここが好ましい。

あと少しで終わってしまう、というあたりのページでも、
読者は望ましい結末と、しかし現実は厳しいのだ、という結末の
2つ(或いはそれ以上)を想像し、ハラハラさせられる。
そこのところも巧いと思う。

なお、山梨県には年に数回は行くのだけれど、かの地の美味しいお菓子など
固有名詞を少しアレンジして、アクセントのように登場させている。

例えば、桔梗屋は信玄餅が有名だが、県内ならプリンも買える。
付いてくる蜜が、信玄餅と同じく大変美味なのだが、わざとシロップと書いているところが、
個別の店を告知しているのではありません!という姿勢で、好感が持てる。

なお、私ならプリンよりも、信玄ロールを絶対に推すけど。
ロールケーキにチビ信玄餅を程よく入れてあって、唯一無二の絶品。
プリンはテレビで取り上げられてたりしているけれど、
ロールケーキの方は、私はテレビで見たことはない。
そこのところ、この作者の取材の甘さを感じてしまったーーなーんて、ね。






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