公開中の映画の原作、2巻の長編ながら、とても読みやすく面白かった。
長崎のヤクザの一人息子·喜久雄が、父親を゙殺され、縁あった
上方歌舞伎の女形の名優に引き取られ、その跡取り息子·俊介と共に
荒波に揉まれ、切磋琢磨しながら、歌舞伎役者としての芸を磨いて行く。
いきなりヤクザの抗争から入り、血生臭く始まるが、主人公が大阪に出てからは
厳しくも華やか且つ人間関係のややこしい歌舞伎の世界の物語.
だから歌舞伎を生で見たことのある人には、読んでいて像を結びやすいかと思われるが、
歌舞伎を全く知らない人には、頻繁に出てくる歌舞伎の演目が、
異国の言葉みたいに読みづらいかもしれない。
登場人物は多いのに、人物像がはっきり描かれているので、
読んでいて混乱することもなく、すらすら進める。
また、喜久雄も俊介も、その取り巻きも、たいそう魅力的で
話の展開に引きつけられる。
この大御所女形のモデルは、あの人か?だから映画化は、歌舞伎の松竹ではなくて、東宝なのだ、
等と、現代ものならではの、別な楽しみも味わえて良かった。
今度歌舞伎座に行くときは、阿古屋か藤娘か、曽根崎心中か女殺油地獄が見たい!
と思うけれど、まずは映画館に行こうっと。
衣装や踊り、それに三味線等の音も楽しみだ。
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