mixiユーザー(id:7990741)

2022年09月07日09:56

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「カレーの時間」寺地はるな著

書き下ろし長編、とても面白かった。

主人公の桐矢は三人姉妹の末っ子である母と姉その他
従姉に囲まれた女性ばかりの血縁関係の中のたった一人の男子。 
25才の誕生日、従姉伯母らが勢ぞろいしたところへ
祖母と離婚したこともあり、家族と疎遠になっている母方の祖父が訪ねてくる。

昭和初期生まれで、セクハラという言葉さえ知らなそうな祖父と、
桐矢は無理矢理のように、お試し同居を始めることとなる。

清潔好きの桐矢には、半ばゴミ屋敷となっている祖父の家での暮らしはキツく、
祖父とのやり取りは、考え方の違いから、可笑しくて笑える。

娘や孫娘達から嫌われている祖父。
そんな彼の辛かった過去が、読み手には少しずつ明かされて行くのだが、
桐矢らは知らないというところが何とももどかしい。

桐矢の職場の顧客の老女らも絡んできて、
家族のドタバタから祖父の過去の人間関係もつまびらかになっていくと…

「不器用な頑固者」であると思われる祖父と
今どきのナイーブな若者・桐矢とのユーモラスな掛け合いが楽しくて 
どんどん読めるが、世代間ギャップなど考えさせられ、
奥深い味わいもあるステキな小説だった。

昭和生まれには、アルアルと感じる点も多く、
今年オススメの一冊。


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