精神病院から抜け出した患者の逃走劇、とても面白かった。
福岡の生まれ育ちの、21歳の「あたし」は、
治療薬の副反応が嫌だなどの理由から大胆な逃亡を企てる。
たまたま居合わせた24歳サラリーマンの患者なごやんを
強引に道連れにしてしまう。
福岡大好きな地元民から見れば、
生まれは名古屋なのに東京育ちを自称するなごやんは異質。
二人の逃避行は、デコボココンビに起こりがちなアクシデントに次々見舞われる。
二人の会話から、彼らの過去が明らかにされてゆくのだが、
主人公が博多弁を主に使うので、標準語を話すなごやんとのやり取りが、おかしさマシマシ。
九州の田舎道を、一緒になって苦労しながら走り抜けてゆくような、
知っている町がある読み手には、今一度旅を楽しめるような面白さだった。
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