去年の本屋大賞作家の書き下ろし長編。さすが!とても面白かった。
主人公の千鶴が不幸な極貧生活をしつつ、元夫のひどい暴力に耐えるところから始まり、
ビビりながらページをめくっていくと、彼女の生い立ちがわかってくる。
実の母親に"捨てられ"、厳格な祖母と父親に束縛されながら育った千鶴。
落ちるところまで落ち、追い詰められて、絶望的になったところへ…
中程までは、いわゆる鬼の姑ものかな、と思わされる点もある。
主人公は、母に捨てられた可愛そうな娘だ、と何回も確認させられるが、
逆側からみると、嫁として耐え難きを耐え、自分を殺してきて、
ついに飛び出した母親の気持ちに気が付かされるのだ。
これは孫娘まで含めた鬼の姑もの、すなわち橋田壽賀子系?
あるいは毒母もの?と読み進んでいくと、
派手な大団円へと展開していく。
これは母恋と同時に自分を見つめ直す若い女性の、再生のお話、
とてもとても面白かった。
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