伊勢物語をモチーフにし、婦人公論に連載された長編。
面白いというよりも、勉強になったというのが正直な感想。
例によって(川上ワールドによく見かける)、他人と関わるのが子供の頃から極端に苦手な若い女性·梨子が主人公。
一人娘の彼女は、幼少の頃から慕ってきたナーちゃんと結婚する。
ナーちゃんは男女問わず、とにかく人を惹き付ける魅力的な男で、
梨子は、女の影に悩まされる結婚生活を始めることになる。
そんな日々、夢の中で、江戸時代の花魁や平安時代の姫さんの女房となって、
各時代で、とても魅力的な男性と関わることになる梨子。
魅力的な男とは、在原業平、そして現在では…
現在と江戸時代平安時代を、現実と夢という形で行ったり来たりする。
どの世界でも描かれる情景はリアルだ。
パラレルワールドものとは異なり、夢の中へは比較的能動的に
梨子は行き来するので、読み手はすんなり読み進めることができる。
作者の恋愛感や、ジェンダーによる役割についての時代間での比較などなど、
川上弘美の意欲的な突っ込みが好ましかった。
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