笑える短編ばかりたくさん収録。私にはホント心からクスクスできる小品ばかりだった。
この中の「五分の四位は、ほんとう」というが、
ありそうであり得ない滑稽な話が、これでもかと出てきて、
電車の中で読んでしまい、耐えきれずに顔を伏せるようにして
笑いをこらえるのが大変だった。
著者は都内の西側、いわゆる武蔵野のマンションに
小学生(から成長していく)の子供二人を、
恐らくシングルマザーとして育てつつ、作家として生計を立てている。
その日常が何ともおかしい。
例えば鶏肉を煮て、煮汁が煮こごりのようになったものを食べようとして、
はたと言葉につまずく話。
著者は煮こごりの中の、良い成分のことを
コレステロール? コリアンダー? コンドロイチン?
と来て、違うとわかるが、最後にあげた候補が
コルゲンコーワ?
もう、読み手としては大爆笑 (同世代のみの爆笑ネタかもしれないが。)
思うに、川上弘美の面白さは、(子育てしながら)家事をしている人なら、
あるある!と合点が行くような、ちょっぴり嘘っぽい自虐ネタにある。
しかも舞台が吉祥寺や下北沢といった、私には馴染みのある街が時々出てきて
余計にリアルで面白さが増す。
川上弘美自身もおかしな人なのだが、
彼女をめぐる友人達もただ者ではない面白さ。
さらに電車や自転車で行く道すがらも、
かなり変な人々を発見してしまう、その繰返し。
昔読んだユーモア小説とか落語の小咄みたいな楽しみ方を堪能できた。
思わぬ掘り出し物に巡りあえて、しばらくは思い出し笑いを連発しそう。
用心しないと。
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