とても面白い大作。直木賞受賞の単行本を文庫化したことにより、三分割され、各巻末全てで大団円となり、続きが読みたくてすぐ手が伸びる面白さ。
書評では、作者の自伝的小説という語句をよく目や耳にしたが
確かに著者と同じく、この小説の主人公・歩はイランで誕生する。
サラリーマンの父親の転勤に従って、更に家族はエジプトにも移り住む。
その中東での生活が、例えばメイドや運転手のような現地の人との関わりなど、
これから夫の転勤に付いて行く予定の妻のガイドブックとして使えるかも。
歩の家族には両親の他に姉・貴子がいるのだが、
典型的な、美しい母の不細工な娘で、
とにかく強烈な個性の持ち主として、歩の人生に長い間影を落とし続ける。
また、この姉と母の不仲は信じがたいほどで、特に上巻では読む方が苦しくなるくらい。
そんな中、歩少年はエジプトて素晴らしい友を得て、奇跡のような経験をする。
このくだりが何とも感動的で、ぐっと持っていかれた。
そして中巻では大阪が舞台となるが、個性的な家族には破天荒なご近所さんが・・・
とにかく、登場人物にとても魅力的な人が多くて、
さすが直木賞!
不思議とユーモアと人間模様のリアルさに、首ったけの長編だった。
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