去年のメガヒット「君の名は。」のブロデュース、他
数々のヒット邦画を送り出してきた人のベストセラー小説。面白かった。
映画化された時に、まあ、読まないだろうな、と勝手に決め込んでいた。
ところが先月末に終了した新聞のコラムが、
なかなか面白かったので、図書館で借りてみた。
主人公は一人暮らしの青年。30才の若さで脳腫瘍になり、
しかも余命半年以下と宣告されたところから物語が始まる。
彼は猫を飼っているが、その猫はもともと亡き母が溺愛していた・・・
これは若い男の 母恋のお話しーー
意外にも。
映画のCMを何度も目にしたが、てっきり恋愛ものだと決め込んでいたのに、
主人公の青年は四年前に亡くした母への思いを、大変ストレートに語る。
そして不仲になってしまった父のことも・・・
主人公の元には、命の延長をオファーしに悪魔がやってくるのだが、
1日延ばすために何か一つの物を世界から無くしてしまうという条件を出される。
そして4つ目の条件に猫、と言われた時に・・・
本屋大賞にもノミネートされたそうだが、
文章がわかりやすく、特長に欠けるように感じ少し物足りなくさえ思えた。
が、この著者は、物事の真髄を捉えた直球の文章(解説者は金言と呼ぶ)を
随所に散りばめて、読み手の気持ちをグッと掴む。
なかなかやる書き手だ。
とはいうものの、大切な家族を喪失したことがあるか否かで
恐らく読者の反応も異なってくるかと思われる。
母の死を、あまりにも素直に悼む主人公に共感できるかどうか。
映画のヒットメーカーの書いたラノベかと思ったら
もっと深い、家族の物語だった。
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