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2017年05月21日20:45

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「サロメ」原田マハ著

原田ワールドへ、ようこそ。
サロメとは勿論あのサロメーー多くの油彩画に描かれている魔性の美姫。
この小説はサロメを戯曲化した作家、オスカー・ワイルドと、
その英語版の挿画家オーブリー・ビアズリー、そしてその姉メイベル・ビアズリーの物語だ。

画家といっても美術館に収蔵されるような額縁に納まる大きな作品ではなくて
印刷されてこそ鑑賞の対象となる、本の挿絵の作者。
そんな挿絵画家を主人公にしている点が斬新だが、例によって
まずは現代の人物(学芸員)が突破口となる語り口で始まり、現代から過去へといざない、
実在の人物たちを感情豊かに描き出す迫力たっぷりの展開だった。

ロンドンで客員学芸員として滞在中の日本人甲斐は、オーブリー・ビアズリーを研究しているが、
そんな彼をオスカー・ワイルドの研究家であるイギリス人女性が、サヴォイホテルに呼び出す。
彼女はワイルドの「サロメ」の英語版を手に入れたのだという。

そして舞台は19世紀末のロンドンへ。
メイベル・ビアズリーは弟の画才を信じつつ、自分も女優として舞台に立つことを夢見ていた。
そんなある日、訪ねて行ったロンドン絵画界の重鎮の家で、メイベルとオーブリーは、
当時社交界で絶大なる人気を誇っていた美男・オスカー・ワイルドと出会う。
男色として噂されるワイルドはオーブリーに目を付けて・・・

誰でもそのどぎついシーンに驚かされるのが、様々なサロメの絵画。
恋したものの思いが叶わぬならば、殺して生首を手に入れる、
なんという残酷な題材だろう、と一度ならずとも感じたものだ。
「サロメ」のストーリーはあのオスカー・ワイルドが描いたからこそ広まったのか、
もしかして聞いたことはあったかもしれないけれど、驚いた上に納得した。
ちらりほらりとワイルドのことは知ってはいたつもりだったが、
メイベルというキャラクターでもって、なお一層ワイルドについて興味が深まった。
文芸誌に連載されていた小説。おもしろかった。

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