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2017年03月27日13:28

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「火花」 又吉直樹著(文春文庫)

吉祥寺が舞台になっている小説というので、気になっていた。
太宰が入水自殺をした場所も、そう遠くはないし、きっとこの著者はあの町が好きなのだろう。
実は今月まで職場(というか働き場所)の一つが吉祥寺で、
何か出てくるかな、と思っていたら、井の頭公園を始め、数々の場所が登場した。
(この本を借りて読み始めた頃は、もう職をクビになるかと思っていたが
めでたく契約を継続できた。しかも吉祥寺にも通えるし。)

いわずとしれた、芸能界きっての読書家だったが、今や芥川賞作家となった人の受賞作。
折しも、ケーブル局の制作したドラマをNHKが総合テレビで放送していて、
テレビを先に見ながらの読書となった。
しかも、まだ最終回は来ていないから、私としては本当に不思議な体験。

主人公(著者自身と思われる)の関西出身の若手芸人が上京してからの物語。
僕(徳永)は、熱海に仕事に行った時に出会った、先輩の若手芸人・神谷に魅了され、
徳永の視点で、神谷について綴られていく。

芸人の生活ぶりは、なんとなく見聞きした通りで、珍しくもない。
が、徳永という若者が、天才として神谷を敬愛していくさまが、ほほえましいというか面白い。
ただ、終始オトコ目線で、こんな人居る?というような天使系女性(しかも美女だと徳永は評する)が登場していて
そこのところでフィクション度がバージョンアップされて、なんだかなぁと感じたりもした。
ま、小説は非現実ですから。
リアルなお仕事小説に花を添える、というか。

切ないとか純粋だというような言葉で形容したい中編小説だった。
(ただし、ドラマを見る前に原作を読み終わるべきでした。)
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