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2020年02月25日09:29

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読書紹介1900●「800年後に会いにいく」

●「800年後に会いにいく」 河合莞爾著 幻冬舎 16年版 1700円
 本書のストーリは、800年後の少女・メイが現在に向けて動画を送りつけるというもの。800年後の世界とは、ウイルス性疫病の大流行で世界人口が3億人足らずになっている。メイはその中でも生き延びて、体内に抗ウイルスをのって「人類の希望」となっていた。しかし「余命6年」で、600年前に絶滅したスズランがなければ死んでしまう。そこで、800年前の人類に「スズランを護ってほしい」との動画を送りつけるのだ。
 これを受け取ったのが、「エターナル・ライフ」という会社のタビト22歳。この会社には天才のマリア25歳と、その才能をみこんだオックスフォード大学の准教授だったエンゼル空野社長がいた。マリアは、コンピュータ・ウイルスを食べつくすOSを発明し、量子コンピュータを超える技術「分散処理」を適用して、コンピュータ犯罪を未然に防いでいた。それをエンゼルが政府機関及び民生用に売り込んで、政府のコンピュータシステムの顧問団の一員となっていた。
 800年後のメイに入り上げたタビトは、マリアに「自分を800年後に送り込んでくれ」と頼む。そこでマリアは、タビトの個人記録(タビトは子供の時から日記をつけていた)を全てコンピュータに入力させ、これをウイルスにして世界に放った。800年後の世界ではAIが発達していて、必ずこのウイルスを捕えるだろう。そうすれば、AIの中に入ったタビトがメイに会える、という訳。
 ということで、一方の現実世界ではマリアが指摘していた原発のコンピュータ(他のコンピュータに接続してない)へのウイルス侵入事件がおこり、原発の統御ができなくなり臨界事故がおきたり、民間機がハイジャックされ(コンピュータで)、それが日本の原発11基に突入しようとする事件がおこる。やがて2転3転のどんでん返しがあり、犯人である天才科学者が特定される。という物語。
 パンデミックという世界を滅亡させる様々な事態に対し、人類はどう対処すべきかを描いた本。本書には、私の知らない知見がちりばめられていて、とてもワクワクして読んだ本でした。

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