前回の直木賞候補作。力技満載な感じのアクションエンタメ長編で、面白かった。
農水省キャリアとして、上司の命により不正を行い、
退官後証券会社で働いていた古葉は、
VIP顧客マッシモにいわれるまま、特別なしかもとても危険な匂いのする業務につくべく
1997年、単身、返還前の香港に渡る。
ところが任務を始めようとした矢先、マッシモは惨殺され、
それから次から次へと危険が降り掛かってくる。
香港在住イタリア人大富豪マッシモが選んでいた欧州人らの仲間と、
逃げたり追いかけたり、香港島と九龍とを股にかけ、
騙し騙されの大活劇が展開する。
が、一方で、2018年、古葉亡き後、義理の娘·瑛美が香港に渡る羽目に陥るという、
もう一つの話も展開する。
古葉サイドも瑛美の話も、日本人はほぼ登場せず、
香港ロケ敢行のハリウッド映画チックな作りで、
荒唐無稽ながらも、あっちこっち引き回される楽しみを
ワクワクしながら味わった。
緊急事態宣言下、映画館にも行けないから、この時期に巡り会えて良かった一冊。
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