mixiユーザー(id:7990741)

2021年09月11日00:14

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「貝に続く場所にて」石沢麻依著

今回の芥川賞受賞作、
難解とまではいかないけれど、サクサク読める本ではなかった。
ストーリーの面白さよりも、猫写とか文章の美しさ巧みさを味わう、というような小説。
つまらなくはなかった、が、いわゆる面白い小説とは私には感じられなかった。

主人公はドイツのゲッティンゲンに留学中の女子大学院生。あの3月11日、宮城県で被災するも、津波を直に見たわけではない。
東日本大震災から9年後の夏の日、大学の仲間の一人野宮が彼女を訪ねてくる。
彼は津波に流されて今も遺体が発見されていない。つまり幽霊だった。

主人公はゲッティンゲンの近所の仲間と静かな時間を過ごしているのだが、
いつもの女性ばかりの中に、野宮らが加わって…

東日本大震災から10年、コロナ禍の今、色々思いを巡らせたくなる一冊。
この作家は表現が秀逸で、そこここで感心しまくりだった。
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