mixiユーザー(id:2810648)

2016年02月21日13:27

194 view

読書紹介1500・「運命の足音ーー風の王国9」

●「運命の足音ーー風の王国9」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 743円
 白頭山の噴火が続いている。降灰は南渤海ばかりか高氏渤海領にまでも及び耕作地が次々と奪われていた。突欲の軍は、東丹国と高氏渤海国の砦を襲い、武器と食糧を奪って立ち去っていく。その際、屈強な敗北兵に術をかけ(痛感、防御本能、慈悲心を殺した)突欲の軍に加えていくのであった。
 契丹の堯骨の目は、これら東方の動きにはくれず中華の地に注がれていた。晋(後晋)の初代皇帝石敬塘が死に、その後を実力で奪ったのは、甥の石重貴であった。石重貴は、「契丹を父と敬う」とした石敬塘の約束を放棄したため、契丹との戦闘が始まっていたのだ。2度の戦いで、契丹は敗走していた。これは堯骨の企みで、喜ばせて3度目の戦いで完膚なきまでに叩きのめす策略であったのだ。
 晋への遠征軍の中に堯骨はいた。堯骨の腹心部の将軍の1人に、突欲の嫡男・兀欲がいた。兀欲は、同じ遊牧民である沙陀族(晋の支配階級)を契丹より下に見下し馬鹿にする堯骨に、だんだん疑問を持ち始めていた。一方、契丹の故地に堯骨の母と三男の李胡がいた。李胡は皇太弟として東丹国の遼東城にいたが、兄・突欲に城を奪われ母の元に戻っていたのだ。月理朶は、堯骨の顔に死相を見ていた。次の皇帝を李胡にと思っているが、李胡にはその気がないのであった。
 晋が滅亡しようとしていた。高氏渤海も、突欲の軍に蹂躙され滅亡しようとしているのであった。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年02月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829