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2019年11月02日11:34

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読書紹介1865●「この世の春 下」

●「この世の春 下」 宮部みゆき著 新潮社 17年版 1600円
 重興に現れる子供と女と男は、今でいえば多重人格である。重興が、自分の身を護るためや、告発などのために出現するのだ。下巻では、この多重人格がなぜ現れるようになったかの謎が解き明かされていく。そこには、5代藩主・北見成興と北見一門との権力闘争があった。
 名君・成興の改革で、北見一門の影(忍者)が北見藩に組み入れらようとしたことに恨みを抱いた者(忍者)が、成興に術をかけ息子・重興を幼児期に虐待したのだ。その術者は女で、「男を操る」術者だった。重興の人格に現れた女とはこの術者で、重興の心に恐怖を根づかせ、長じて狂気へと走らせたのだ。しかもこの虐待は、女に操られた成興の手によってなされたのだ(本人は憶えていない)。
 この解明を、館守の石田と、重興の主治医・白田と、多紀と、多紀の従弟・半十郎(多紀の護衛役)らが務めるのだ。やがて、苑の側の神鏡湖で子供の骨が見つかる。子供たちが、「呪」の贄として殺されたていたのだ。このことから、術の正体と術者の正体が明らかにされる。重興の病が、快癒される時が・・・。という物語。
 なんとも、オドロオドロしい物語でした。

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