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2019年11月02日11:32

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読書紹介1864●「この世の春 上」

●「この世の春 上」 宮部みゆき著 新潮社 17年版 1600円
 本書は、江戸時代の下野北見藩のお家騒動を描いた本。北見家第6代藩主・重興が26歳にして「押し込み」にあい、北見家別荘「五香苑」に幽閉された。重興に「乱心」があったのだ。この乱心は幼年期から出現し、青年期に収まった。しかい、5代藩主・成興の急死をもって藩主におさまってから、次第に酷くなる。江戸藩邸では、奥女中を斬り捨てもいたのだ。
 この五香苑に、主人公の多紀(22)が秘密裏に送り込まれる。重興の面倒をみるためだったが、苑の人々は「側室」として迎えられたのだと思っていた。多紀が苑で重興に接するなかで知れたことは、重興には4人の人格が現れることであった。
 本書では、1人目の子供(幼児期の重興の友達)が現れ、多紀に懐いたことで、事態は動きだす。上巻の最後に、2人目の人格・「妖しい女」の出現で急展開するが、それは下巻に譲られている。3人目は「野太い声の男」だが、上巻では成興急死の場面で現れた、との五香苑館守(元江戸家老で、重興の幼年期を教育した)石野織部の話があるのでありました。

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