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日記一覧

やっと
2014年12月24日12:39

 ふぅ、やっと講座機関誌「層」のための原稿を書き終わった。日曜午後&火曜一日&水曜午前で30000字超。長すぎると、また叱られそうだ。タイトルは「『私の男』の結晶イメージ」。今年度有数の邦画、熊切和嘉監督『私の男』をドゥルーズ『シネマ』1&2を

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疲労
2014年12月20日09:01

 「現代詩手帖」の年鑑号での拙稿の一節にこう書いた。《詩篇はその詩篇に出会う機会性ひとつで自足的に読まれればいい。ところがひとりの詩作者を継続的に読むためには、その詩作者の「変化」こそが読まれなければならない。詩篇内容よりも変化のほうにむし

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記事
2014年12月17日23:26

 うっかりしていた。仕事がおわり、いまごろ夕刊チェックをしてみると、ぼくの書いた文章があった(もう連絡が遅すぎるか)。北海道新聞本日(12/17)夕刊4面。「北海道新聞文学賞(詩部門)を受賞して」という但し書きがサブになって、メイン見出し「真実

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杉本真維子・川原
2014年12月17日11:04

 【杉本真維子「川原」】 「現代詩手帖」12月年鑑号で評価の集中した詩集のひとつに、杉本真維子『裾花』があった。ただしその詩集には、「詩の被災」「意味の破壊」など暴力的な解読不能性を強調する評価が主流をなした。ところがこの詩集が創造するのはむ

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〆切
2014年12月16日08:46

 〆切のまったくない純白な元旦など、なかなか来ないものだ。今度来る元旦も、またも依頼された原稿がこころをかすめる不安定をかかえることになってしまった。 まずは昨日。学部授業のまえTAさんの授業準備を待っていると、北大短歌会の気鋭女子たちに囲

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むかしの詩
2014年12月12日08:00

 はじまるみづのゆれをゆきかひひかりのなかになみなみときえしびとのゑまふみらいのむきへむなしくあがくこのあをのかい とどめるなうのしわふかくにはをととひうかぶしのまりあんぬしろこんれいのうたもをはんぬかみさりしひのふゆあれのには かたみとの

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近況
2014年12月11日08:24

 一週間ほど、日録アップを怠っていたが、べつだん病気だったわけではない。序数詩篇の連作が先週、「50」で終わったとかんがえ、そのときに自己達成感と虚脱感がふたつながらあって、あとは日録アップにむけてうまく自分が調整できなかったのだった。 もと

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50
2014年12月06日17:45

 50 読むおんな、という画題がたしかにある。よみすすめる本、その頁からの反映をうけて、わずかにつねとはちがう、うつむきがちの顔がほのめいている。予感めいたものが描出の核心をただよう。そこへ文字どおりの文字づらをおもう。むろんなんの本をよん

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49
2014年12月05日05:20

 49 「OL」「整体」「潮吹き」「老廃物」で検索できる動画が、かかれていないのに書かれている詩のようだ。はじらいの暗愚にかたちのよさがまつわり、みごとに疑念と期待とが中間化されている。それでもこの世にありえているひとりのおんなが、そんなし

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48
2014年12月03日19:25

48 眼のなかに眼のあることがうつくしい。ときおりそんなむすめがいる。このばあい左右の眼はそれぞれ二重性だが、たとえばすずしさのかがやきに淫蕩などをかくしているのでもない。ただのおなじものがひとつの場所にかさなっているだけだ。そんなまなざし

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47
2014年12月02日17:32

 47 過去はからだのかたちをしている。うすやみでさだかならずうごくところに、すでにして過去とくゆうのぬくもりがあるし、往時を想起するさいにもその想起におんなめいたくびれがひらめいたりする。いずれにせよ過去は停められた時間、その一点の像では

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46
2014年11月30日03:28

 46 この連作をずっとかすめているのは、もちろんからだへのさまざまなかんがえだが、それほどからだでもないのだ。むしろあったのはうつわとひかりの関係だろうか。そのものよりも、そのものがめぐりとつくりあげる関係のほうがうつくしいと、ここのとこ

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45
2014年11月29日07:29

 45 したしさへの予感をおびながら、それをはばむ微妙な位置にふわふわしている、蛾のようなこどもだったとおもう。記憶はないが、家ぬちのくうきもいまよりずっと、蜜に似てねばっていたのではないか。うごきがたさのなかで、ゆれるもののぶきみをからだ

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44
2014年11月28日05:44

 44 かんがえるとは、はだかになることだ。まとった服飾を解き、ひだをひろげ、ずんぐりしたぜんたいになって、かんがえようとする対象の芯に、まるごと物質をおしあて、鼓動をわけあうことだ。あらわれてくる展開がみずからを折るのではない。かんがえは

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43
2014年11月25日05:06

 43 からだのどこかに脾臓があるが、それがどんなかたちかしらない。「うすいひしがただよ」とウソがいう。にくづきに卑の脾、にくづきに非の腓。からだにはからだにならぬものがなるほどひらめいて、うちがわもそとがわも心もとない。 詩集は連作をなし

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42
2014年11月24日10:27

 42 からだと手とのかかわりがさみしくないか。じぶんのほとんどの部位を手はさわれる。毛髪も性器も、あるいは腰をおろせばかんたんに爪先も。そもそもその再帰性がさみしいのに、もっとも見た目にあわれな油断のばしょ、肩甲骨の真下にあるからだのぬり

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