【五項】 置く掬う返すといったてのひらのうごきの系列であえなく片恋をてらす ひらいてあらわすおりにはからだのうすやみだがつづくうち初夏すらねがうそとがわとなってしまう はなれてさすっているのももののひめる傍流部分だった萼の色うつりをこの
【橋門】 門をあけて橋をわたらせるふうけいのもくろみらしいが門番ならもういなかった すでに水飴のねばりはのんだ交響は中途でこそにじんでくる三千世界、いっせいにこぼれかげろうがのぼりゆらぐ さかいをふたえにするのがあの橋門のやくわりだが木
【頰杖】 ほおづえをつけば顔のよこへふるさの鳴るあなができて まどをとじているのに風もとおりかたちうるんでいたりするさわらごち、鰆東風ともらす うみのかげがほそくなってゆくきょうなどはかたうでの日肩をずらしつかれさせて消失で左右を