【伴】 やわになった伴の字のようにうすやみへうすいろおびてからだのほかをくりひろげるうすいろでうすあかりするからともなうことをするからだはすわる長椅子にながさをそわすふたつあるひとがひとつありひとつある身をわかれもさせてしずかながらあげ
【明眸のゆくえ】 眼のものでいたそんざいはくさのさいぶがおおわれはだかぎのかたちだけがのこり町のひみつをけしてしまったゆきふりのひどさにあえぐだろうふった途端の塗炭のくるしみそれがひとみをくろくしてやがてをこがれつめられるのだゆきのみず
【ながい】 ひとよにしてとつぜんばくだいな雪をひばくしたあさとなればあしもとをこおりの瘢痕がへびめいて這いおずおずと髪へこまかなしろふをかんむりしてゆくさいわいでゆれるみなくなればなるほどにうすくしずかな天もおのれをみたすほろびは反映に
【指呼】 套にまもられたむなぢがありからだの汽水域と呼んだしおめの濃さ淡さがながれ冷たさ温さをわかつ場もしらないゆききとなるそのつぎになづけるべきはむなぢをかかげあげるありさまのくびれだろうおんなめいたかくれのぶんかつはかたちみなへひそ
【庇】 (以前も夢にみたごとく)という丸括弧でかこわれた留保と比喩の節があさくつづくゆめのなかにあってことばをなかだちされたそれは夢の原質とはかすかにちがってみえちがってさえおもえるのだろうかたとえばふしぎとうすくかんじられるひさしがた
【ラーゲ】 かくれぼやけてみえないからこそそこをうごくものが惹きつけるひかりのころもにつつまれてはだかもまたそうあったはずだがゆきがふりだすころからだはしゃがむくるしみをあたためる葉をおとしきった樹のあいだ裾のひらいたかつてのホノカをた
【逢瀬】 まなざしがしののめへむかう糸のようなものだとするともつれたそれが曲馬のひとをうつくしくおもわすことがあるけさのホノカはふゆの毛のふさふさあるきでおとをしずめやますそにかくれるしとねもあらかじめホノカのいろをして移動そのもののあ
【有限】 ここからほねをかぞえながらみとおすとだいすきなホノカのひみつがしれた枝状の肉がまどをこすりつけるようにしておくゆきにあるものはいつもみだれうごきも展開へと翻訳されてしまうのでりったいからとおさでは風姿がとけてみとおすもののだい
【旅のすすき】 旅にでたときしばしばガイストにであうことがしずかなたのしみをおりなすとはみとめるが旅にでたときのからだのこころもとなさがけしきのすきまというべきものになかだちされ山の褶曲、すすき原のてまえなどで茫ぼうとてらされる身のまわ
【闇の伴走者+浅野いにお】 本日の北海道新聞夕刊5面に、ぼくの連載コラム「サブカルの海泳ぐ」が載っています。今月は映画『バクマン。』のマンガ創作シーンのくわしい説明を皮切りにして、つぎのものを串刺しにしました。 1) マンガのアシスタント
【形姿】 形姿としてしかひとがみえないのはかんがえなおせばまがなしいのだからあさもやからでてくるこいしさがこいのままときにすがたへふくらみいっときはかたちにまでやせゆくのをきりのながれることわりととらえてみることなどするひとのたかさにい
【教室の動物】 かたりかけるわたしをみていただくのはふだんのなかではかなりほこらしくそれは連用にちからをいれた構文のつながりないしは硝子ばりの深秋教室のなかではときに川にみえるぎんいろのながれへおさまるかたりかけるはずかしさからはなれる
【人質】 じぶんを質屋にいれるのもたいそうなのでじぶんを人質にしてまどわくにおくときのうからわいている情がきょうもわきさかいめのおおくでまざっているとおもったまとまらないおとこのからだをもつのがすごくはずかしくなったときすでに崇高なおん
【なかだち】 身をうすくするなかだちが水でほとりをゆくことじたいあやういゆれる枯れ蓮どうしがこすれあえばねこをなして瞳孔もほそまりなかだちの者みなおそれにそまるひゆによって、ひゆのさなかで
【しごと】 よふけにわたしをおこなっているといつのまにかあしもとは銀になり羽虫があまたしんでいると気がつくとぶはかなさなどいずれもえるし残りと消えにもふたわかれするからちぐりすゆーふらてすのようなものは双の耳それぞれへめぐりながれる
【係恋】 よつばいしてふかく野にひそむとひじとひざのよっつがつたわりまとまらない秋を身におびるのでいよいよすがたがよわくなったけものをからだにおもいおこすのはこしかたへのものぐるいをなしてかたちじたいもほねがちにするこの係恋は吼えればい
【戯れ言の笹舟】 詩の味方から詩集がとどきいきをとどめてよみおわるとあたりはゆるやかにうるみひとのにおいをはなつおのれを端居へつるしおくことにした詩からひろったけしつぶを左右の耳それぞれのうちらで気泡となるまでころがしてなみに揉まれるあ
【かしぐ】 立ちがあんていしていないつぼのそのなかぞらというべきうちがわへかれくさをたばねひろげて活けてむかしよろこびあったおんなとしてこころのそばでゆるがせてみるとゆれのなかにゆれの層あるけはいがおもういぜんすらふやしてきてところどこ
【石のくずれ】 石がそこにあるさまはみえるがあることの持続じたいはみえないしずかさへのおびえとはそんなものでひろってなげるうごきをつくりあげわずかなとおさを野へ設計するとくうきが波紋めいたおのれをゆらしずれたがるこの世がたしかにずれ音の