【遠境】 みなみのなつかしい雨あがりがいっせいに草の濛気のたちのぼる獰悪なにおいのあふれなのにくらべ きたの雪あがりは雲のおおうままつむゆきのくらくのこったままうつわでりんごの香をゆらすだけのこのてのひらのつづきにすぎない あがりのあと
続きを読む
【記憶】 いちどふりかえったあのひとをここからいちどだけみつめたそうして容赦なく一回性がつたう からだのなかにからだがあるとおもっていたが、さほどでもなく たんじゅんな一回性により眼にされたこちらのからだがからだごと瞑目できないでいる
【形影】 樹々があるく国にいるならわたしじしんあるかなくてよいすなどりもせず拾いもせず ゆく樹々のとってのわたしはちいさな点景とただなるだけで みまわしながら思いをひろげ樹のすべてがおんなである確率をうごきのもんだいからとらえる みな形
ログインでお困りの方はこちら
mixiニュース一覧へ