【白道】 あきがふかまりゆくとみちがくきやかにみえた おおきなことだっただれもすみかをうったえずおうらいがあるだけのかぎりないながさがさきざきへきえるのだから 中途が中途でありきるためにさきざきも白道とよばれた おとこえしがのりめんにゆ
【はなれごま】 ひかる天心より馬が抛られゆっくり墜ちてゆくのをはるか見ながしていた やさしみゆえか光線ゆえかなみあしでまわるそれは青鹿毛から葦毛にてんじて地平へと吸われていった はがれおちたのだああ秋の箔はあまたすべり はまきのけむりの
【秋の箔】 てのひらのやわらかさはからだではつねでないのにそのうえにくずれやすいぶどうがのることもあった くぼみがささえているはずがてのひらは湖面のようにもじどおりたいらになろうとし みずにうかぶものまで招ぎよせる 手から水、箔へとけい
【小唄】 かおにぬれぎぬをかぶせられ天をあおいで果てた者と ぶどうの種でのどをふさがれ恋の小唄をたちきられたあなくれおんはそっくりだ ずがいこつへのとどこおりはとおき世をはためかせるいきながらこわれものとなり好色ばかりさかずきにして ぬ
【しずく】 てのひらのくぼみへしずくがひとつはいりこむやってみるとわかるがついにそれはにぎれない からだにとおさあることのげんたいとあこがれ 杖でおどる者もみたんだチェロを弓弾くようにとじるまぶたへとしずくはぬぐわなければならない ての
【仮縫い】 かるでら湖の波頭がきれいで写真をとろうとしゃがみこむと天からのへだたりがぶあつくからだの秋がわきあがってくる おんなにははずかしいすがただがこのゆめたがえをしらずして性別もゆれることをしないだろう ひとりでするレスビアンエレ
【ホト】 どうぶつごとおんなごとほぼホトはさだまった位置にある身がはずかしさをおびるのは再帰の手がホトにふれるときだ 陰裂ということばのさみしさそれがまちにもまして照らないかかどをまがりつづけるゆびのまちづくりさながらものみなわびしくと