【無双】 よい理由とはすでにひゆなのだと人死にのつたわる地でおもったてんまどからひかりがおりていた ずっとふたつというあらわれに身を割ってなげいていたころ そもふたりづれのあまたがものへのひゆよりもうつくしくあれは母娘、あれは姉妹とさい
【L字】 ひがわりでとうざい南北にまくらをおきかえるべくL字型のベッドも公案されたが ねごとすれば声が鉤に包まれしゅゆのうちにはかなくなった ねむりはすすきへとわけいりおきぬけなぞぎんいろに詩の舌がしばられてかたくものをいうとほねもにお
【著莪】 とうげをぬけようとしてこめつぶがぱらぱらとふりありがたく鉄鉢でうけた 凪ぐなのか薙ぐなのかみあげた仏すらわからず炊くやすらいへむかおうとつぎの谷におりていった 抹香の尾をほそく引くくだりのひとこまずつがつながらぬ連鎖のよう 身