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日記一覧

半消え
2015年09月30日06:29

 【半消え】  おんなのうでといいかいなとまたよんでみるものをつかもうとするおおもとのうごきがうすやみにほのじろくわかれだすからだのながれるような中途がてのひらのおわりをけしいましてのひらへはいったりんごも半消えとする 

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減喩と明示法
2015年09月29日06:09

 今号(10月号)の「現代詩手帖」に、畏敬する詩作者・貞久秀紀さんとの対談「減喩と明示法から見えてくるもの」が掲載されています。拙著『換喩詩学』の鮎川賞受賞を契機にした対談ですが、「想起」型(「想像」型ではない)の現在の詩作がどのような精神

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橋間
2015年09月28日07:36

 【橋間】  とおく雲間があるのなら橋間だってあろうかとあつまる川をあみだにあるいたさまよいが瞑想へとけあってゆくいぬからまなんだゆきかたはよるにながれるしろがねをなしたあみだくじをたどってゆくのはいぬのむれのひくいうつりであがるのもとある

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もちづき
2015年09月27日09:35

 【もちづき】  ゆっくりふりかえってゆくさまはなにかおおきなかげのひびきそのもとにしずけくあってかおなき貌のまどおい香盆からましろのかがやきをはなったなみのもちあげられるうえ暗中たかく完璧はさみしくて楕円軌道のおくふかい二にひかれ裂かれて

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倚らない
2015年09月26日03:28

 【倚らない】  どこまでがかたちでどこからがゆれかわからなくみえていたしろい花の草としてあの詩がつづられていた九死があって一生をむすばぬなにかの刻々だったろうしかくく土手がふさぐからあゆみはそこをのぼりひかるものをみわたすがどこまでがみず

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こいびと
2015年09月19日06:17

 【こいびと】  えいぞうなみにまたがってからだおんながとおくのぞむうらがなしいのうらがこころの意だとくりかえしなみだぐむちちふさがらんちょうをうごくえいぞうなみにあえぎすいふようの身ふくろをゆっくりとあからめるうらのぬれるおうせではみだら

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ライトヴァース
2015年09月18日06:41

 【ライトヴァース】  大型連休が迫っているが、姪との同居解消にからんで女房がまた木場近辺へ引越しをするので、その手伝いも兼ね連休を挟み東京にもどる。帰札後がすぐ2学期開始。このところシラバスに書く授業計画がやんわりと具体的展開を外していて

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黄道
2015年09月17日07:51

 【黄道】  くうきのあいいろにすむなかあんなとおくつつみのさかいをひとがきがびっしりとつらなっておわりの侵入にあらがっているそれでもまえからのみならずそらよりもそそぐはてしは垣をことなりにみせてしまうたとえばとりどりの瑞星をもやしながらこ

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寝刑
2015年09月16日04:40

 【寝刑】  寝台でうすぐらくねむるひとにはねむりのましたをもやいがあらわれさかのぼる舟でもあろうとする予行では台が要るという西のおしえにかんもくするからだがさからわずあさがてらしだすまでみずをうかべ天蓋となれなかった属におうらいさせるとじ

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露刑
2015年09月15日09:03

 【露刑】  まどにそう露台というのは半分の外でそこらへたつのはおしなべてせまくすいたカーテンで身をおおうかわりにとんぼうのあらわれがそとがわをうばういくえにもまなざしへたいらにはいり大雪山からのそのつめたさが糸をなしてみることからゆっくり

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盲者
2015年09月13日19:35

 【盲者】  ひと日がとあるうつわだとしてきれいな朝ときれいな夕のあいだにくりかえす海嘯のみをききにゆくこの世をゆきつくしてしまえばふりかえられるのはみずからとじるぬれたからだのようなものだからなみうちぎわも髪さながらにゆれ顔となるべきうご

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秋の音階
2015年09月11日13:36

 【秋の音階】  つぼをさかさにかかえ一滴のこらずあるいてゆくとからだだってつぼに似てしたむきの穴がぼけるわたっているそのときから途中の色を消しさるためつぼから幅のない木橋へとおうごんをそそぎいれ下とそうでないところがどのように反りあってい

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庫裡
2015年09月10日06:13

 【庫裡】  つねよりもかるい水をてのひらにまろばせながらあそこを水明かりのみえているのがわからんかそうおどろかす師がいてみえるものすべてはからだを軸にしながらふたりのたてものにちがう方向をあたえているそれが庫裡というものでふたつあるからだ

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こもれび
2015年09月06日05:00

 【こもれび】  はんぶんだけみるよろこびをはんぶんだけあるきながらかげのなかにほこりたてていたがじんせいのまはんぶんへ途中入場するぜいたくなどもうなくなったとなっとくして身の左右どちらを欠かしてみるかつらつらみばえをはかるうちくうを割るお

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2015年09月05日02:28

 【傘】  そこにたつと雨でうるむなかいくにんかが同方向にみえとおいちかいも差がなくなりうしろの樹々との境すら不たしかにすべて星座めいておもえたのでそこにたつといういいかたをそこからたつとおぼえかえながらしずくを吸うじぶんの眼があの者の呼び

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呑川
2015年09月03日07:20

 【呑川】  あたりということばが地名のおっぽにつくならさらにみしらぬひとがおうらいしだすのだから地名をころすにはあたりひとつがあればいい大田区つつみかたのみかわあたりもっというとそこにかかるむかしの木橋あたりではきえたことをゆるしてくれと

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戦後70年映像
2015年09月02日19:14

 【戦後70年映像】 本日夕刊の北海道新聞に当方の連載コラム「サブカルの海泳ぐ」第18回が載っています。今回串刺しにしたのは、8月10日放映の戦後70年ドラマ『一番列車が走った』(NHK広島)、映画では荒井晴彦監督『この国の空』、塚本晋也監

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札幌に帰ると
2015年09月02日08:38

 【札幌に帰ると】 札幌に帰ると、途端に詩的環境に早変わりする。不在中配達された詩書が届いているし、部屋にはまあ本が鬱蒼とならんでいる。凛冽さにつつまれて、気分がひきしまる。 まずは、掲載のお知らせを。 「現代詩手帖」9月号では4月の鮎川信

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